記事まとめ
前回の記事
少しずつ高度を上げ、目標のカラパタールまで近づいて来ました。
今回のルート
[box class=”box17″ title=””]ソマレ ディンボチェ チュクン ディンボチェ[/box]

AM8:00 ソマレ出発
昨晩は満点の星空に恵まれ、標高の高いところにやってきたんだという実感が湧いてきました。その標高の影響で夜は寒く、長く外にはいられませんでしたが、エベレスト街道の夜を満喫しました。
今日は、また高度順応のために標高はあまり上げずにソマリからほど近いディンボチェに泊まります。
朝食はフレンチフライをたくさん食べて、出発です。

この高度(4000m以上)になると、樹木はほとんどなく、氷河のあとのような景色がずっと続きます。

まるで別の惑星に来たかのような茶色い荒涼とした土地です。
出発から2時間もしないうちにディンボチェに着きました。
AM10:00 ディンボチェ到着
ロッジに着くと、その家の小さな女の子がいました。その子はペットボトルに紐を結んでヤクに見立てて引きずり回して遊んでいました。

この子もソマリの男の子のように日本人によく似ていて可愛らしかったです。
ちょっと恥ずがしがり屋さんでした。
昼食はチャーハンを食べて少し休憩です。
この場所はエベレスト街道の中でも好きなところです。

チュクンへピストントレッキング
ここの標高は4,410m。
標高5,000mで酸素濃度が地表の半分になるといいます。
日本では体験することの出来ない空気の薄さに体がついていっていません。
動いていなくても息苦しいのが分かります。この時点ではまだ息がしにくいなと思っていたのですが、体調に特に変化はありませんでした。
PM:0:00 チュクンへ向けて出発
今回の道は変化にとぼしく、激しいアップダウンや景色の変化がなく緩やかに登っていきます。
重い荷物はロッジに置いてきたので、平地であればジャンプできるくらいの荷物です。なのに、出発一時間もすると体調がみるみる悪くなっていくのを感じます。
高山病がやってきた
痛みは頭ではなく首の後ろからやって来ました。
なんとなくイメージとして、高山病は頭のてっぺん、つまり脳のあたりが痛くなるのだと思っていましたが、実際には後頭部より下の首の後ろの部分が痛くなってきました。
痛み方はやや肩こりに似てると思います。首がつったような感覚です。
いままで重いザックを背負っていたので肩の筋肉痛かと考えましたが、明らかに筋肉痛とは違う内部からくる痛みでした。
ズキズキという痛みではなくジワジワとしたいやな痛み方です。
実は、カトマンズに着いたときにガイドのビノドから高山病に効く薬 (ダイアモックス)を何錠かもらっていたのですが、こんなところで飲んでいたら登頂できないような気がして飲みませんでした。
7〜8分岩の上で座って休憩していたら少し落ち着いたので、チュクンに向けて足を動かしはじめます。
かなりいい景色が続いたので一眼レフを構えたのですが、一瞬のピントを合わせるために、息を止めるのが辛くて結局ほとんど撮れなかったのが残念です。
それくらい空気の薄いところです。
途中の今は使われていない(と思われる)ロッジ

PM2:00 チュクン着
チュクンに特別何かあるわけではないのですが、壮大な景色が見れました。
真っ白な氷壁。こんなものが見れるとは思ってなかった。

帰りは来た道を緩やかに下るだけなので、軽い高山病を抱えながらも楽でした。
PM3:00 ディンボチェへ戻る
ディンボチェに戻ると、あるニュースが入っていました。
この先のロブチェでヘリが墜落したらしいです。搭乗者の安否は分かりません。
もう一つ、1、2周間前にもこの近くで韓国人が二人滑落したという話を聞いて背筋が冷える思いをしました。
帰国後調べましたが多分このニュースですね。ディンボチェから4、5kmのチョラチェを登っているときに滑落したようです。
ヒマラヤの標高6000メートル級の山を登っていた韓国人登山家2人が転落して死亡しました。 大韓山岳連盟などによりますと、登山家のキム・ヒョンイルさん(43)とチャン・ジミョンさん(32)は、現地時間で11日午後、ヒマラヤのチョラツェと呼ばれている6440メートルの峰の北壁を登っていて足を滑らせ、転落して死亡しました。
夕食は固形物をあまり食べたくなかったのでチーズパスタを注文。

見ての通りプレーンの真っ白のパスタ。味気なく、酸っぱいだけのパスタ。
テーブルに塩があったのでふりかけて、水を飲みながら無理やり喉を通しました。
スマホのバッテリーが切れそうなので充電させてもらいます。2時間で600ルピー。高い!
エベレストで一番つらい夜
軽い後頭部の頭痛は残っていますが
喉にも痛みを感じるようになりました。
体を冷やさないようにしていたにもかかわらず、風邪を引いたようです。
たぶん空気が乾燥しているせいです。
寝るときに、喉の乾燥を防ぐために日本から持ってきていたマスクをしたのですが、密閉度が高く呼吸ができません。
明らかに酸素が足りていない。
やむを得ず、マスクは外しました。
枕元に水を置いていましたが、今度は喉がすぐに乾燥してしまい、息ができない状態になってしまいました。文字通り喉がカラカラになると息ができなくなるのを知りました。
マスクできないのは本当に辛いです。
この時は、自分の手をマスク代わりにして、自分のつばでなんとか喉をうるおして必死で寝たのを覚えてます。
さっき聞いた、2つの事故が頭から離れない。
おおげさのように聞こえますが、本当に息苦しくて死にたくない死にたくない、と思いながら涙も出ない乾燥した部屋で一晩過ごしました。
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簡単ネパール語
ハジュール = はい または もしもし
名前を呼ばれた時などに使います。スマホを耳にあてながら「ハジュール?(もしもし)」と言っている姿をよく見かけます。ナマステの次くらいによく聞く言葉。